2019-08-30

ハーフ・ジャパニーズの悩み!アイデンティティーの問題について考える

大学一年生の長男が、最初のオリエンテーションの一週間で「僕はこのカレッジに向いていないかもしれない」と弱音を吐き始めました。

理由を聞くと、スタッフも学生も白人がほとんどで自分はマイノリティーだからだと。白人の学生たちは自分をアジア人として見ているし、アジア系の学生たちは自分を白人として見ているし、黒人の学生たちは黒人のグループで固まっているし、自分の居場所がないと言うのです。

幼い頃から毎年日本とアメリカを行き来して、両方の国の言葉とカルチャーに精通している息子たちはラッキーだし、それを誇りに思って欲しい。でもアメリカではアジア系とみなされ、日本に行けばハーフと呼ばれる、それは事実であり、どこへ行っても自分がよそ者の様に感じてしまうのは確かに辛いものだと思います。

長男は高校までずっと、人種の多様性(ダイバーシティー)の高い公立校に通ってきました。有色人種が半数以上を占め、白人がマイノリティー、という彼にとって恵まれた環境でした。白人、黒人、中国人、韓国人、台湾人、インド人、メキシコ人、ペルー人、ジャマイカ人、エジプト人、モロッコ人などなど、様々な人種の友達の中にいて、自分の人種のことが原因で孤立した気持ちになることなど全くなかったのでしょう。

ところでこのダイバーシティーという言葉は、アメリカで学校の良し悪しを図る材料として必ず使われます。ダイバーシティーを高めることを大学は目標としていて、海外からの交換留学性を受け入れるなどして、学生たちに多様な価値観の中で学び考えさせ、グローバル社会で柔軟な姿勢で立ち回れる国際性を身につけさせることに力を注いでいます。

長男の通う大学も世界各国からの留学生を多く受け入れているので、新学期が始まり上の学年の学生たちがキャンパスに集まってくれば、人種のことで孤立感を感じることは少なくなるはず。実際、あるクラスでは二人の日本人留学生を見つけたそうで喜んでいました。

息子たちはカリフォルニアで生まれ、ハワイで幼少時代を過ごし、小学校に上がる時に現在住んでいるアメリカ中西部の街に引っ越して来ました。私が日本人であるためにそんな思いをさせてしまったのだと責任を感じ、アジア人にフレンドリーなカリフォルニアやハワイから引っ越さなければ良かった、大学のダイバーシティーをもっと重要視して選べば良かったとか、また、今からカリフォルニアかハワイの大学にトランスファーさせようか、とまで考えてしまいました。

でも長男はハーフ・アメリカン ハーフ・ジャパニーズとして一生を生きていかなければならないのだし、今心地の良い環境に逃がす事は彼のためにならない。それに彼はもう18歳。親が口出しして彼の人生を変える事はできない。自分から具体的なことを言いだすまでは何も言うまい、ただ見守ろうと決めました。

私はこのアメリカ本土のあまり日本人のいない地域で“アジア人”というラベルを貼られて生きています。普通アメリカ人にとっては、日本人も中国人も韓国人もひとくくりにして“アジア人”なのです。私が“アジア人”だから差別されている、という現実は繊細な年頃の息子たちから見ると明らかで憤りを感じることもあるそうなのですが、正直言って私は自分が人種差別を受けていると感じたことはほとんどありません。鈍感なのもありますが、潜在的に気が付かないふりをしているのかもしれません。

白人の友達が時々私の英語のアクセントを真似したり”cute”と言って笑うのですが、長男は「ママは馬鹿にされているんだよ?怒るべきだ」と言います。でも私は日本で生まれ育っているのだから英語が日本訛りなのは当然。そんなことを気にしていたら誰とも話せない。それに私はこの国に税金を納め、合法的に暮らしているのだから、馬鹿にされたり見下されたりする筋合いはないという自尊心もあります。くよくよする必要は全くない、自信を持って誇り高く図々しく生きていけば良いのです。

思春期は、他人の目に自分がどう映っているか気になる、自意識が過剰になる繊細な時期。人生経験を積んで自信をつけ一人の人間としての自己を確立していけば、ハーフ・ジャパニーズだということは特別意味がないことに気づくでしょう。がんばれ、長男!

 

 

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